(平成18年7月号)No.61

 
     
 
わたくしの連休
 
     
 
株式会社 火 研
代表取締役 堀田光朗
 
 
  5月の連休を迎え、家で休養しようか、旅行に行こうか、ゴルフに行こうか。ゴルフは私の1番得意な趣味であったが、6年前から腰が痛くなり色々と治療をしているが、一向に良くならず悪くなるばかり、まことに残念至極である。今までは年間50回〜70回位はゴルフを楽しんでおりましたが、最近では欠席のできるゴルフコンペには極力欠席をしているので、年間10回程度のプレー回数である。
ゴルフ場にはカートが設置されているので腰は痛いが、何とか18ホール回れる状態である。ところがドライバーの打球の距離が以前より40ヤードから50ヤード飛ばなくなり、パーオンがなかなかできなくなり、18ホール100前後のスコアーである。
そこで今回はゴルフをあきらめ温泉に行くことにした。車で行くので停滞の無い温泉をパソコンで検索すると山奥の温泉があり電話すると、2泊3日の予約ができた。愛車を使用するとリットル当り5km位の走行距離しか伸びないので、また道幅が狭いのでリットル当り20kmのトヨタのヴィッツで行くことにした。
行き先は近場の奈良県の最南端の十津川温泉と、川湯温泉とした。奈良の御所を過ぎ新緑の吉野を通って十津川を代表する名所、谷瀬の吊橋に到着対岸の谷瀬へは高さ54m、長さ297mの日本一長い鉄線の吊橋が架かっている。昭和29年に架けられた生活用の吊橋であるが、近年は日本最長の吊橋であり、また周囲の山々に織りなす眺望や渡る際に味わえるスリルが十津川一の観光名所となっている。子供や女性の方の中には、吊橋が揺れるので恐怖を感じて途中で引き返す方もいる。
橋下の河川の水は清く美しく、また河原には沢山のキャンプ場があり夏にはキャンプを楽しむ人々であふれるそうである。
吊橋を楽しみ走行すると標高1800m級の大峰山系の雄峰な山々が続く、この森林と水資源に恵まれた集落が点在し、百曲がりの国道を小型車ヴィッツは快適に走る。道路沿いにはあちこちに、湧き水があり飲みやすく整備した三里山の水、大師の水、白口の水、昴の水、と4つの湧き水がある。
国道168号線、滝川口より山奥へ12km程入ると、日本の滝、百選に選ばれた笹の滝がある。新緑につつまれた渓谷美、豊かな所に滝があり落差は約35mぐらいであるが、しぶきをあげて流れ落ちる滝、そのものの姿もさることながら滝壺より溢れ出て白く滑らかな岩肌を洗う流れも新緑に冴えて美しい笹の滝である。
国道に出て少し走り瀞峡方面に通じる山道を1時間ほど走ると、深い森林の中に森林植物公園がある、公園に近づく道路沿いにはシャクナゲの花が咲き誇り、私たちを歓迎しているように思えた。中に入ると世界中から集められた120種類のシャクナゲの花が1万本、大輪の花が丁度満開の時期であった。新緑の中にピンク、赤、白、紫色など、色とりどりの大きな花が咲きみだれている。このシャクナゲの木は大きく南米産かと思われる、高さ2mから5mぐらいの木が連なり見事な光景であった。来年も、もう一度行きたいシャクナゲ公園である。
また国道に出て吉野山を超え熊野三山へと続く山間の渓谷を走ると、静かにたたずむ十津川温泉郷に近づいてきた。
目的の旅館には午後2時30分に到着した。娯楽室の設備を調べておいたので、マイラケットを持って卓球場へ行き、1時間ほどラリーを楽しんだ。卓球は50年程前には国体競技にも出場した、また40年程前には西部金属熱処理工業会主催の卓球大会にも出て高周波熱錬チームと決勝戦で優勝した思い出もある。
現在は東大阪の卓球クラブに入り練習をしているが、卓球は敏速な判断と機敏な動きが必要で、かなりハードであるが老化防止には非常によいスポーツと思う。
宿泊の予約の時に主人が夕方の4時ごろは、二津野ダム湖畔での魚釣りは快適ですよ、と言うので小船を予約しておいた。
卓球の練習後、丁度よい時刻になり小船を借り、釣道具、エサも借りて静かな流れのエメラルドグリーンの湖畔に出た。深緑の山々に囲まれ湖畔に竿をたらすこと20分、力強い引きにびっくり仰天、全身に伝わる引きの強さ、初めて感じる感触、これはこれはと時間を掛け慎重に魚を引き寄せると大きな口を開けた、50cm位の大きな鯉が釣れ湖面でバタバタ暴れている。
他の船の釣り人にも当たりがきたようである。
山間の夕暮れは早く西の山々は赤く染ってきたので、当旅館の自慢の露天風呂に入ることにした。男女別にあり、湖に張り出すように造られている。ところどころに巨岩を配置した石組みの風呂で植え込みや、目隠しのヨシズが添えている。湯船の横ではコットン、コットンと水車がのどかに回り、なかなか風流である、しかも眼下には湖が広がりすばらしい眺めが、湯船につかりながら堪能できる。この源泉の温度は70℃であるので直接湯船には入れられず、パイプラインを湖に沈めて適温に冷却して、各温泉宿に配湯されている。湯量は豊富であるので掛け流しの温泉郷である。
テレビでよく放映されている温泉鑑定団の先生方も、これらの泉質を調査して鑑定の結果は非常に高いと好評を得たようである。
また、料理は山岳地帯にあるため山菜や川魚など、山の幸が豊富であるので、アユやアマゴの塩焼き、アマゴの唐揚げ、沢蟹の天ぷら、そして馬刺し、やわらかくてとても旨かった。春の山菜の天ぷらなど季節感あふれる素材を使った料理が、彩り鮮やかに盛り付けられ満足した。
今日は、ゆっくりと山道を旅行するつもりが時間に追われかなり強行であった。
今夜は、ゆっくりと休み、明日は川湯温泉に向かって快走する。
 
 
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