(平成15年1月)No.46

大阪府商工労働部長 年頭の挨拶

 
 

大阪府商工労働部長
藤原 安次

 
 
    新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 2003年は、産業再生と雇用という2つの課題解決へ向け、大きな一歩を踏み出すことで幕を開けます。国においては、本年冒頭の通常国会で、これらの課題について集中的な議論が展開されます。今年は、わが国挙げて、いよいよこれら両課題の抜本的解決に向けた取り組みをスタートさせる、いわば"産業・雇用再生元年"とでも申すべき一年でありましょう。
 幸い大阪には、ものづくりやバイオ、ナノテクといった豊富なポテンシャルがあります。東京一極集中型の社会経済システムが疲弊し、わが国全体がかつてない閉塞感に包まれる今こそ、大阪経済を再生させ、わが国経済の再生を先導していくという気概を持って商工労働行政の推進に努めてまいります。
 本府の財政状況が厳しくなるなか、大阪産業の再生と雇用創出のためには、施策の¨選択と集中¨を行いながら、スピード感を持って新産業の育成、中小企業の競争力強化を図ることが重要です。
 このため、新技術による中小企業の新たな事業展開を促進すべく大阪TLOを核とした産学官連携の一層の推進に努めると同時に、優れた経営革新性を有する企業に対する資金支援やセーフティネットを強化する観点から、制度融資の充実はもとより、昨年創設した中小企業向け債券市場の活用など円滑な資金供給への手立てを講じるなど、大阪産業再生プログラムの着実な推進に努めます。
 さらに、地域特性や強みを生かして、北大坂のライフサンエンス拠点、東大阪のものづくり支援拠点、南大阪のハイテク拠点といった産業クラスターの形成に取り組んでまいります。なかでも、ものづくり企業が集積する東大阪地域には、優れた技術・製品の情報発信とものづくりに関する総合的な支援センターとなる「クリエイション・コア東大阪」が本年オープンする運びです。
 昨年度、大阪を訪れた観光客数は、対前年度比で約560万人増加しました。観光は、高い経済波及効果と雇用創出効果が期待でき、大阪の魅力を高める上で重要な分野です。今後、オール大阪の一層の連携を深め、昨年11月に策定した「観光立都・大阪」宣言アクション・プログラムに基づき、観光振興施策を展開してまいります。
 大阪の雇用失業情勢は依然厳しい状況にあります。現在、昨年9月に策定しました「12万人緊急雇用創出プラン(案)を軸に、実効ある雇用対策を進めているところでございます。しかし、雇用失業情勢の抜本的な改善のためには、何よりもまず大阪産業の活力を推進し回復させること、すなわち産業空洞化の進行を防止することが必要であります。とりわけ、大企業の本社・本店機能が府外へ流出することは、大阪の経済ひいては都市全体として活力低下にもつながりかねません。こうした事態に歯止めをかけるためには魅力ある都市づくりが重要であることから、都市再生の推進や構造改革特区構想の実現など、あらゆる角度から大阪の魅力向上に向けた取り組みを進めてまいります。更に、大阪で育ち大阪で発展した企業の経営者の皆様に、このような厳しい時代であるからこそ大阪に根ざして頑張るという気概を持っていただくことが重要であると考えております。
 今後とも様々に創意工夫を凝らしつつ、大阪産業の再生と雇用失業情勢の改善に努めてまいりますので、皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、本年が皆様にとりまして幸多い年となりますことを、心よりお祈り申し上げます。
 
 
 
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