西熱ニュース令和3年10月号(No.122)

「モータースポーツを通して」

三洋金属熱錬工業株式会社
代表取締役社長 葛村安弘

 8月22日、スーパーGT第3戦鈴鹿が、新型コロナ対策として観客を半分以下に絞って行われました。三洋金属がサポートしている阪口晴南(せな)君がGT500にスープラで参戦しました。阪口晴南君は、三洋金属のユーザーの現社長の甥で祖父、父、叔父がレーシング・ドライバーという一家に生まれ、2015年全日本カートチャンピオン、今年はスーパーフォーミュラとSUPER GTに参戦しています。将来のF1ドラーバーを夢見て、父親が伝説のF1レーサーアイルトン・セナに因んで名前を付けました。

 SUPERGT500は、市販車両を改造した最上クラスで、V6の3000ccツインターボ500馬力、車重1100Kgですが、解り易く言うと、市販の最高級スポーツカーの車重を半分にした感じです。 何故カーメーカーがモータースポーツに参戦するのか。レースで勝つことでユーザーから信頼を勝ち取り、性能の良い車だと認めてもらえて販売増につながるからです。ところが日本ではモータースポーツの知名度はまだまだ低く、販売増にはなかなか繋がりません。

 モータースポーツには他と別格と目されるレースが3つあります。それらは「世界3大レース」と呼ばれており、インディ500、ル・マン24時間レース、F1モナコGPです。インディ500では佐藤琢磨が2度優勝しています。しかし、F1モナコGPでは、残念ながら日本人ドライバーの優勝はまだありません。F1モナコGPの運営には王室関係者が関わっており、F1期間中にはヨーロッパ社交界の華やかさを凝縮したような式典が開催され、文化面でも他を圧倒する存在となっています。ところが日本のモータースポーツの知名度は欧米と比較して残念ながら低いままです。

 モータースポーツの最高峰であるF1の世界は現実離れしたものに思えますが、F1で開発された技術は市販車に応用されています。数百億円の資金により技術革新がF1のレースでテストされ、その中で最も成功した技術がやがて一般市場向けの車に採用されます。

 F1カーのハンドルにはボタンやノブがたくさん付いています。これに着想を得て一般車にもカーステレオの操作やパドルシフトが付いています。

 トラクションコントロールとABSは、エンジンの出力とブレーキを制御するシステムでタイヤのスリップを防止し、適正にブレーキをかけ安定した運転の手助けをします。 F1の現行ハイブリットシステムは、ブレーキ時の運動エネルギーを回収するシステムと熱エネルギーを回収するシステムがあります。運動エネルギーはブレーキの際にディスクを使わずにモーターを使う事で発電し、バッテリーに蓄電します。熱エネルギーは、排気エネルギーでタービンを回転させて発電するシステムです。運動エネルギーの回収は一般車にも採用されていますが、熱エネルギーの回収はまだ採用されていません。

 モータースポーツは各サーキットによりコーナーと直線が異なるため、どのコーナーでエネルギーを貯め、いつ回収エネルギーを使用するか制御しなければなりません。

 このようにモータースポーツは、最先端技術を試し鍛える場所として利用されてきました。現代のレーシングカーは環境にやさしくエコな技術の結晶となっています。

 ところが政府は、2050年カーボンニュートラルに向けてグリーン成長戦略を策定しました。各カーメーカーはEV化を前倒しにして、経営方針を打ち出しました。今まで車業界の先端技術は、モータースポーツが先導してきましたが、EV化によりガソリンエンジンとミッションの技術は過去のものとなってしまいます。

 豊田章男社長が水素エンジンの開発を進めています。モータースポーツがこれからも生き残っていくためにも、エンジンとミッションの技術が残っていくためにも水素エンジンが現実のものとなることを願っています。

代表者変更のお知らせ

[会員]

・令和3年7月吉日 有限会社新興高周波工業所取締役社長に森田悠太様が就任されました。

・令和3年8月吉日株式会社ネツレン小松代表取締役社長に中津仁様が就任されました。

[賛助会員]

・令和3年7月吉日 高圧ガス工業株式会社代表取締役社長に黒木幹也様が就任されました。

各委員会活動報告

令和3年7月7日(水)道頓堀ホテルにて第1回西部組合技術委員会をWEB併用型で行い 初期入門講座や、技術講習会について、検討しました。 。

令和3年7月14日(水)西部組合第1回総務委員会はWEB会議で行い、夏季賞与報告について意見交換やコロナ禍における各社労務管理問題等について議論しました。

令和3年7月16日(金)道頓堀ホテルにて西部組合第2回マーケティング委員会をWEB併用型で開催、 購入品価格調査結果について意見交換や第6回現場最前線担当者向け講習会等の検討を行いました。

令和3年7月21日(水)道頓堀ホテルにて西部組合第2回魅力向上委員会をWEB併用型で開催しました。学生向け金属熱処理出前講座と、中国地区・熱処理技術者「初期入門講座」について、検討しました。

講習会、セミナー活動

令和3年度第1回金属熱処理技能検定実技試験特別講習会開催

R.3.7.10(土)1回目大阪科学技術センター大ホール他 受講者210名              
R3.8.7 (土)2回目(追加分)大阪科学技術センター大ホール 受講生139名

前期技能検定実技試験合格を目指す対策講座を初めて開催、多くの受講生が参加されました。

令和3年度前期金属熱処理技能検定実技試験について

・令和3年度前期金属熱処理1級技能検定実技試験

日時:令和3年8月1日(日) 場所:大阪科学技術センターにて実施
コロナ禍の下、2年ぶりに国家資格である金属熱処理技能検定実技試験を大阪府職業能力開発協会より受託し (地独)大阪産業技術研究所の先生方と西部組合会員企業から、検定委員総勢35名を任命し、1級一般熱処理、浸炭・浸炭窒化・窒化処理作業、高周波・炎熱処理作業の3作業を実機使用による実技試験を行いました。受検申し込み者数は241名でした。

・令和3年度前期金属熱処理2級、3級技能検定実技試験

日時:令和3年8月29日(日) 場所:大阪科学技術センターにて実施
(地独)大阪産業技術研究所の先生方と西部組合会員企業から、検定委員26名を任命し、2級、3級実技試験を実施しました。受検申し込み者数は401名でした。

いずれも、コロナ禍での実施となり、マスク着用は当然のこと、検温チェック、消毒、換気対策等万全の予防体制の下、無事終了しております。関係者の皆様、ご協力感謝申し上げます。

令和3年度後期技能検定試験受検案内

受検申請受付:令和3年10月4日(月)から令和3年10月15日(金)まで
金属熱処理 特級:令和4年1月30日(日)
午前 学科試験  
午後 計画立案等作業試験 場所未定

材料組織試験1.2級 令和4年1月23日(日)場所:未定                                         
*詳細は大阪府職業能力開発協会TEL06-6534-7510に確認のこと

第177回 西部会ゴルフコンペ結果

 第177回西部会ゴルフコンペは、令和3年7月27日(火)18名参加のもと、城陽カントリー倶楽部で開催されました。結果は次の通りです。(敬称略)

優    勝ネット 76.0堀田光朗㈱火研
準 優 勝〃   79.0 葛村和正㈱ダイネツ
第 三 位〃   79.0川上貴次㈱ネツレン・ヒラカタ
第 四 位〃   79.0木下忠和高周波熱錬㈱
第 五 位〃   80.0川嵜修㈱東研サーモテック

・終了後、優勝カップの贈呈が行われました。
優勝者の堀田光朗氏(左)と優勝カップを贈呈する 大山照雄理事長(右)

活動状況

  • ※令和3年度金属熱処理技能検定学科試験講習会
    R.3.6.26(土) 大阪科学技術センター大ホール他
    152名参加              
  • ※令和3年度熱処理技術者のための基礎講習会
    R.3.6.21(月)1回目 大阪ガスドームシティガスビル
    WEB併用型82名参加              
    R3.7.8(木)2回目  同上
    WEB併用型82名参加
  • ※令和3年度金属熱処理技能検定実技試験特別講習会
    R.3.7.10(土) 大阪科学技術センター大ホール 210名参加              
    R3.8.7(土) 同 2級判断等試験特別講座追加分 139名参加
  • ※第22回熱処理中堅技術者講習会
    R3.7.28(水) 1回目 大阪科学技術センター 
    WEB併用型33名参加 
  • ※ 令和3年度第1回技術委員会     
    R3.7.7(水) 上掲
  • ※令和3年度第1回総務委員会
    R3.7.14(水)上掲
  • ※令和3年度第1回マーケティング委員会
    R3.7.16(金) 上掲 
  • ※令和3年度第1回魅力向上委員会
    R3.7.21(水)16:30~18:00 上掲
  • ※令和3年前期金属熱処理1級技能検定実技試験
    上掲   
    同2.3級技能検定実技試験  
    上掲
  • 日本金属熱処理工業会
    • 令和3年度第1回マーケティング委員会
      R3.6.23(水)  WEB会議
    • 令和3年度第1回技術委員会
      R3.6.29(火) WEB会議
    • 令和3年度第1回総務委員会
      R3.7.6(火) WEB会議

今後の予定

  • ※第22回熱処理中堅技術者講習会   
    大阪科学技術センター R3.10.21(木) WEB講習会
  • ※令和3年度第6回現場最前線担当者向け研修会
    R3.11.16(火) 大阪科学技術センター予定
  • ※令和3年度第3回西部組合理事会
    R3.10.26(火)13:30~15:00 大阪科学技術センター404号
  • ※令和3年度第47回ボーリング大会
    R3.12.5(日) ボウルスミノエ
  • ※令和3年度秋の工場見学会(第1回技術講習会)
    R3.11.18(木)
  • ※令和3年度第21回初期入門講座
    第1日R3.11.5(金)9:20~16:40
    第2日R3.12.10(金)9:20~16:40
    大阪科学技術センター 405号、404号
  • ※令和3年度第4回理事会および  
    第21回賛助会員PR会 R
    3.12.2(木)理事会・PR会
    懇親会は未定~
    於 シティプラザ大阪
  • ※令和3年度第5回理事会・新年懇親会
    R4.1.27(木)(一社)日本金属熱処理工業会と合同開催  
    詳細未定
  • 日本金属熱処理工業会
    • 第42回日熱会はコロナ禍の為、今年度は 開催見送り

賛助会員