昨年の秋ぐらいから、平成最後の○○といったフレーズをよく耳にするようになりました。 そう、今年西暦2019年は、5月から新しい元号になることが決まっています。そして、その元号が何になるのかが公表されるのは、4月の初めです。
現在2月なので、私は、その新しい元号、を知らずにこの原稿を書いています。 このタイミングだと、この30年を振り返って、といった類いの内容を沢山見かけますが、それは皆様それぞれに任せるとして、むしろ、少し未来に向けての話をしたいと思います。
つい最近、近畿2府4県の2018年の倒産件数2097件のうち、業歴が分かっている1298件の中で、いわゆる老舗企業と言える業歴30年以上企業が占める割合に関する文章を読みました。
皆様、業歴30年以上の企業の割合は、どのぐらいだと思われますか? なんと30.6%に昇るそうです。
その割合は14年ぐらい前から上がり続け、むしろ景気が良くなってきた2013年ぐらいからずっと30%を超えています。
老舗企業は、企業としての信用度が高く、不動産や内部留保などの資産が厚い企業が多いのですが、一方で、過去の成功パターンに固執して、新しい投資や新しい事業への取り組みが遅いというところもあり、それが遅すぎると、倒産という最悪の事態になってしまう、というのです。
未来に向けての対策が出来ていないと言うことです。
実際に、この数年、私たち製造業を取り巻く環境は随分と変化しました。そして、それは更に進もうとしています。
Society5.0、コネクテッドインダストリーズ、といった新しい社会の形やビジネスモデルが提唱され、ロボットやAIといったツールを如何に使っていくか、が重要であると同時に、働き方改革の下で、労働時間の短縮、ワークライフバランスへの配慮、女性や高齢者、ハンディキャッパーとも共存できる多様性への対応、コンプライアンスの徹底、あらゆるハラスメント撲滅に向けてのルール作り、そういった工夫や努力のないところには、人は集まらず、仮に雇用できても長続きしない、そういう状況が続いています。
私たちの業界の多くの方が期待している外国人採用に関しても、仮に外国人技能実習制度の職種に熱処理業が認定されようが、高度外国人材で雇用しようが、継続的な雇用と活用のためには、それぞれの企業での工夫や努力が必要になります。
平成が始まるそのずっと前から、出席番号は、男女混合になり、男子も高校で家庭科の勉強をする時代となっています。だからイクメンは当たり前なのです。
新しい時代は、とっくの昔に始まっています。
私たちは、未来を予想し、変化への対応を怖がらず、設備投資、新規事業の取り組み、社内ルールの変更、など勇気を持って取り組まないといけない課題を沢山抱えています。
けれど、それが重荷になって、企業の存続に拘わるようなことになっては本末転倒です。 今まさに、経営者の多様性が求められている、そういう時なのかもしれません。
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