誰にも聞いてもらえませんので、お耳障りかもしれませんが、ここで少しばかり申し上げてみたいと思います。
少子高齢化の進展による就労人口の減少、このコロナ禍にあっても、少しも逆流する気配を見せない、製造業からサービス業へ労働力のパラダイムシフト、働き方改革の法制化、ワークライフバランスの要求、様々なハラスメントのオンパレード、ストレス社会がもたらす予測不能の疾患発生、企業を取り巻く雇用環境・雇用情勢は、取り組むべき課題が山積みのうえに、日々新たな難題が生まれるような状況です。
1日24時間365日稼働を続ける我々の業界にとっては、いずれも解決を求められる難問でありますが、他の業態と比べても、とてもハードルの高いテーマばかりです。
そうはいっても、有利な雇用環境を確保し、労働力を確保していくためには、難しいからといって、手をこまねいているわけにはいきません。状況にマッチした新たな制度の導入を、日々考えていかなければなりません。 いままでのメンバーシップ型の雇用形態を、一気に、最先端のジョブ型へ移行しようとするわけでもないのに、時代に即した形態に見直そうとしているだけなのに、そうしなければ、今のコンプライアンス時代に取り残され、企業としての存立すら脅かされてしまうのに、なかなか前へ進めません。
変わることで、新たな雇用に対して、てきめんに効果が出ます。人手不足が緩和されます。企業の評判が上がります。在籍している従業員にとっても、朗報でしかないように思うのだけれど、思うようにはかどりません。 新たな制度を取り入れようとするたびに、すでに在籍している従業員の多くから、反対・批判の声が聞こえてきます。変化に対する不安や恐れがそうさせるのだと思います。だからといって、その変化を恐れていては、逆に従業員たちの雇用を守ることが出来なくなってしまいます。なんとしてもやり遂げなければならない。理解し、賛同してくれる従業員たちを増やしていかなければならない。
何かを変えようとすると、とりわけ人事にかかわることになると、なんと骨の折れることか、つくづく痛感します。 インターネット社会の現在では、様々な情報が飛び交っています。多くの従業員に、情報リテラシーを持ってもらいたいと願ってみても、なかなか容易なことではありません。彼らは、抵抗するために、さまざまな情報を、都合よく切り取ってきては、大騒ぎします。一時、当社のなかでは、「不利益変更」だとか、「代償措置」だとか、法律用語が大流行しました。毎度毎度、粘り強く、丁寧に、説得を重ね、「変える」ことは、最終的に、従業員の最大公約数の福利につながるものなのだ、ということを理解してもらい、納得してもらわなければならない。恒例行事のように、そんなプロセスを経なければ沈静化しません。本当に骨が折れることです。
新規雇用は重要です。でもそれ以上に、当社を支えてくれている既存の従業員の気持ちが大切です。一方で、性急に答えを求める当社のステークホルダーたちの声も蔑ろに出来ません。悩ましい限りです。毎度毎度、本当に骨が折れます。
最近は、雇用環境、労働環境、社会制度がめまぐるしく変化しているため、こんなことばかり繰り返しているような気がします。
でも、留まっているわけにはいきません。そういうイベントを通じて、少しずつ、従業員のみんなも、変化に慣れてきているような気もします。常に協力してくれる従業員たちもいます。彼らの期待に応えていかなければなりません。 ある人が言っていました。「変えるべきことと、変えてはいけないことを見定めること、それはリーダーの役割であり、リーダーにしか決心できない」
さらに前へ進んでいきたいと思います。
ちょっと愚痴を述べてみました。
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