(平成17年1月)No.55
年 頭 所 感

 
 
西部金属熱処理工業協同組合 理事長
(株)東洋金属熱錬工業所 代表取締役社長
川 嵜 勝 史
 
 
 

 新年明けましておめでとうございます。理事長を拝命して足掛け4年を経過しました.この間、会員,賛助会員の皆様をはじめ,関連団体・関係機関の方々には格別の御支援とご協力を賜わり深く感謝しております。顧みますと理事長に就任しました2001年には,その前年のアメリカにおけるITバブルの崩壊と同時多発テロの影響を受け、世界は同時不況の様相を色濃く呈しておりました。
 
 わが西部金属熱処理工業界の生産額も前年比2桁台の落ち込みを記録し、これは中部、東部地域に比べても最も大きい数値でした。期待された21世紀の幕開けは,暗鬱な気分とともにに明けました。以来今日まで世界経済はすさまじく激変し,隣国中国との関係では、脅威から共存共栄の関係へ,棲み分けの関係へと大きく変化してきました。
 
 これに加え,他のアジア諸国、ブラジル、ロシア,インド等の人口大国も経済が成長軌道にのり,歴史上かってない膨大な需要が生まれつつあります。これらの国は産業インフラを整備するためには,多量の鉄鋼を必要とし,さらに将来、産業の高度化と共に高品質の機械工業製品,部品、部材,特殊鋼材の需要がうまれることは戦後日本の産業発展史をたどれば明白です。殊に日本製造業のなかにあって自動車,工作機械をはじめ、多くの機械工業製品は現在世界最強の競争力を有しています.この機械工業製品の関連産業には,鉄鋼業があり、熱処理や鍛造その他の支援産業,裾野産業が含まれます。

 今後機械製品工業と鉄鋼業と加工産業・支援産業群が、連携強化して世界に日本製品を広げて行く機会が訪れています。その市場の特質は地球環境重視の製品、高感度・高付加価値・高品質製品、組み立て型産業製品ではなく擦り合わせ型産業製品であります。日本製造業の潜在力を信じ、製造業の復権を通じて、日本経済・世界経済に確固とした一翼を担いたいと思います。 我々にとって時代は明るさを増してきました.今年は役員改選の年でもあり、会員、賛助会員、関係機関・関係団体の皆様には業界活動のあらゆる面で清新の風を送っていただき、今年もお元気にご活躍されますようお祈り申し上げます。

 

 
 
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