近年に無い多難な時代に突入して、3年目を迎えました。
加えて、我々戦後時代には経験の無いロシア・ウクライナ騒動。
そこで熱処理業界の一員として、どの様に考え、行動すべきかを問われる環境下で日々を過ごしています。
このような厳しい状況下で、私なりにこれからの取り組み姿勢を独善的ではありますが、思慮しましたので、この機会に述べさせて頂きます。
我々の先陣達が大東亜戦争(第二次世界大戦)下で対応された時の、お話を思い出し、また、戦後に経験した経済環境の変動(高度成長、ドル・ショック、オイル・ショック、バブルの崩壊等)を経験した現在、我々は何をなすべきか????
我々熱処理業は、各種工業製品製造の「縁の下の働き」が常であり、各種製造業のお得意様を日々の生活の糧として取り組んでいる業界人であると意識しています。
また、金属材料の熱加工分野も基本的な鉄鋼材料の焼き入れ・焼きなまし・焼きならし・溶体化・時効処理等の基本的な加工方法から、浸炭・窒化処理・高周波処理等の表面処理法、更に、イオン窒化・浸炭、真空熱処理、ろう付処理、CVD・PVD処理等の多彩な熱加工法の実現が我々業界の現実的な取り組み要素だと思います。
これらの巾広い熱加工技術は他の機械・電気・化学系の工業界とは異なった事業分野であり、我々の事業の存在が必要であると感じるところであります。
このような環境下で、我々の業界は今後どの様に進むべきかを思慮するとき、私の人生の金属学の先陣であられる、日本学士院会会員・東北大学・名誉教授の今井勇之進先生から頂いたお言葉「一隅を照らす是国宝なり」 を指針とて邁進したく思うところです。
このお言葉は、比叡山の開祖最澄上人のお言葉であり、
・「一隅を照らす」 : 自分の属する社会 (熱処理業界)を充実・発展させる事。
・「是国宝なり」 : その行為の全ては国の宝です。
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